マイナーチェンジした、マツダロードスターのRS系に装備された。
車外騒音規制をクリアしつつ 車内にだけ心地よい吸気音を響かせる装備のこと。
「アクセルに歯切れ良くシンクロするサウンド」
をテーマに、ドライバーがエンジンサウンドをより堪能できるよう、
新開発のインダクションサウンドエンハンサーをRS RHTとRSに採用した。

スポーツカーの魅力の1つに音の要素がある。
ロードノイズを除けば、それらは主に排気音とエンジンルーム周辺から
聞こえる音に分けられるが、どちらも騒音規制の対象になっている。
背景には道路近隣住民などへの配慮があるが、
音を小さくすることはスポーツカーの魅力をだいなしにしかねない。
開発主査は「気持ちの良い音を聞かせようとしても、
これまでは一番いい所の音が騒音規制に引っかかってしまう」というジレンマがあったという。
通過測定による騒音規制をクリアしつつ、
なんとか気持ちの良い音を車内にだけ響かせることは
出来ないかという悩みを解決したのが、
新装置であるインダクションサウンドエンハンサーだ。
インダクションサウンドエンハンサーはインテークマニホールドと
エアコンフィルター付近のバルクヘッドとを繋ぐ筒状の構造で途中にダイヤフラムを内蔵する。
エンジンへ空気が流入する際に生じる吸気脈動を増幅させて、
構造体と空気による双方の振動を通して車内へ吸気音を届ける。
アクセルを踏んでいるときだけ作用するといった点でも音の指向性を持つといえる。
「マニアックな部分だが、とてもコストがかかっている。
そうはいっても購買層のすべての人に 訴求できると言い切れる機能ではない」
ため、一部グレードにのみ標準装着とした。
それでもメーカーオプションとしての選択肢は残してあるあたりにメーカーとしての苦悩がうかがえる。
エンジン音の大きさが規制対象となる現代において、
スポーツカーの重要な魅力の一つである音を効果的な演出に利用する手法として、
今後の自動車オプションとして検討されることが増えるかも知れない。